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Catch-up CO2を埋めて脱炭素化

建設業に関わるトピックスを分かりやすく解説するコラム『Catch-up』最新号を掲載します。
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CO2を埋めて脱炭素化 CCS事業法が成立 2024/6/25

2050年にはCO2の年間貯留量が最大約2億4000万dに
 二酸化炭素を地中に埋めてカーボンニュートラルを目指す―。CO2排出量の削減と脱炭素社会の構築という世界共通の課題に対応するため、CCS事業法が5月に成立した。2030年までの試掘・貯留事業開始を目指し、許可制度や貯留権の創設、CO2の導管輸送事業に関する規制などを整備する方針だ。
 CCS(カーボンダイオキシン・キャプチャー・アンド・ストレージ)は日本語で二酸化炭素の回収・貯留を意味する。製鉄所やセメント工場、ゴミ焼却施設、火力発電所などCO2排出量が多い産業分野で、排出ガスが大気中に放出される前に、CO2を分離・回収し、圧縮してパイプラインなどで地下深くの安定した地層に送り込み、貯留する。
 CO2を貯留する場所は地上から1000b以上深くにある隙間が多い多孔質の地層。CO2を分離する設備の他、地下深くを掘削し、パイプラインを敷設する大規模な工事が必要となる。
 経済産業省などは12年から、北海道苫小牧市で日本初の実証プロジェクトを行った。4年間をかけて建設した設備には約300億円を投資。16年4月から19年11月までの3年半の間に累計30万dのCO2を圧入した。
 18年に起きた北海道胆振東部地震でもCO2が地上に漏れた様子は見られず、貯留技術は災害にも強いことが分かった。
 一方、CO2の分離・回収技術のコストが高いのが課題だ。分離方法には化学吸収法(アミン吸収法)、物理吸着法、膜分離法などがあり、化学吸収法を用いた苫小牧CCS事業では、CO2の回収から貯留までのコストが1d当たり1万円を超えた。
 経産省は今後、大企業を中心にCCS事業の導入を進め、分離・回収コストを低減する新技術の開発と検討に力を入れるという。また、モデルとして3〜5事業を支援し、30年までに年間貯留量600万〜1200万dを確保する。50年には20〜25事業に拡大し、年間貯留量約1億2000万〜2億4000万dを目指す。
 5月に成立した新法では、事業開始の流れと事業者の義務を定めた。経産相が貯留可能な特定区域を指定し、事業者を公募。事業者は、試掘や貯留事業の具体的な実施計画を策定し、認可を経て事業を開始する。
 事業者には貯留層のモニタリングによるCO2漏えい防止の他、技術基準適合義務、工事計画届出、保安規定策定などを課す。
 
 

"クラウディングアウト"問答、再燃 「人手不足」論が見えなくするもの 2024/5/31

財政審では公共事業に人手が取られ、民間工事が圧迫されるというが……
 公共事業予算の増額が人手を奪い、民間の建設投資を圧迫する―という「クラウディングアウト」論が再燃している。財務相の諮問機関である財政制度審議会が5月にまとめた建議では、公共事業関係費の予算規模が増加傾向にあるとし、「民間工事の円滑な施工に影響を及ぼす」として留意を求めた。実は10年前にも交わされたこの議論だが、見落としている点はないだろうか。
 クラウディングアウトが以前に取りざたされたのは、政府の2015年度当初予算編成に向けた方針を議論する経済財政諮問会議でのことだ。リーマンショックに伴う景気後退で落ち込んだ民間投資が回復し、公共投資の減少が底を打ったタイミングでもあった。工事に必要な人手が取られるとして、民間議員が「公共投資については優先度の高いものに重点化すべき」と訴えた。
 現在の状況はどうか。確かに、ハローワークでの職業紹介状況を見ると、建設業の技術者・技能者のいずれも有効求人倍率は5倍超と高止まりしている。建設物価調査会の調査では、建設投資への意欲は高いものの、物価高や人手不足を背景に、時期を後ろ倒しにするとの意向も見られた。
 だが、改めて目を向けたいのは、以前クラウディングアウトが話題となった10年前から現在に至るまで、建設投資額(名目値)は政府、民間のいずれも伸びたという点だ。本当にクラウディングアウトが起こっているのであれば、政府投資の伸びと相反するように民間投資が抑制されるはずではないだろうか。そもそも、土木を中心とした政府投資が、建築主体の民間投資の人手に大きく影響を及ぼすことは考えづらい。
 今回の財政審の建議では、公共事業費の増加だけでなく、公共工事設計労務単価の上昇についても、クラウディングアウトにつながらないよう留意が求められた。だが、設計労務単価は賃金実態に基づいて定められるものだ。民間投資においても適正な労務費の転嫁を急ぎ、現場で働く人の処遇を改善してこそ、人手不足の解消が進むはずだ。
 国土強靱化や経済活動を支えるインフラ整備は、民間投資を後押しする効果もある。必要な事業を進めるため、官民で人を取り合う構図にとらわれるのではなく、建設業界に人を呼び込むことに知恵を使いたい。
 
 

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