Catch-up<2023年10月〜11月号>

建設ニュース、入札情報の建通新聞。[建設専門紙]
東京技能講習協会

Catch-up <2023年10月〜11月号>

建設業に関わるトピックスを分かりやすく解説するコラム『Catch-up』バックナンバーです。
 

ストックヤードの登録制度 猶予はあと8カ月 2023/10/6

実効性確保へ空白都県の登録が急がれる 建設工事で発生した土砂(建設残土)の処理の流れを把握するため、国土交通省が創設したストックヤード運営事業者の登録制度。登録事業者に土砂搬出先の受領書の確認や国への報告義務を課し、建設発生土の適正処理とリサイクルの促進につなげる。静岡県熱海市伊豆山で27人もの死者が出た盛土崩落による大規模土石流災害を教訓にした取り組みである。来年6月に全面施行する。
 とは言え、登録は任意だ。全面施行後は、建設業者が利用するストックヤードが未登録だった場合、その建設業者は自ら最終搬出先までの土砂受領書などをチェックし、残土が適正に処理されたかどうかを確認しなればならない。ストックヤードに運び込まれた建設残土は、他工事の残土とまとめて最終処分場に搬出されるケースがほとんどである。建設業者が工事単位での最終搬出先までの残土の流れを把握することは現実的に困難だろう。
 建設残土は全国各地の工事現場で発生するもの。登録制度の実効性を確保し、建設残土を適正に処理していくためには、まずは登録済みのストックヤードを国内にくまなく配置する必要がある。
 国交省によるストックヤードの登録受け付けは5月から始まっている。これまでに、全国で118事業者(179カ所)の登録が完了した。地方整備局等別に見ると、近畿管内が37事業者(50カ所)と最多を占めた。以下、東北が16事業者(20カ所)、関東が14事業者(36カ所)、中国が14事業者(21カ所)、北陸が11事業者(12カ所)、九州が10事業者(19カ所)、中部が8事業者(8カ所)、四国が4事業者(6カ所)、沖縄が2事業者(3カ所)、北海道が2事業者(4カ所)となっている。
 ただ、ストックヤードの所在地を都道府県別に見ると、埼玉県が18カ所、大阪府が16カ所、兵庫県が15カ所、福岡県と茨城県が各13カ所、広島県が10カ所となった一方で、秋田県、長野県、群馬県、東京都、千葉県、栃木県、山梨県、岐阜県、三重県、鳥取県、徳島県、香川県、熊本県、佐賀県の14都県ではまだ登録がない。
 国交省は、登録が進むまでの猶予期限として2024年5月末を設定している。それまで、土砂搬出先の受領書の確認や国への報告の義務付けは行わない。残り8カ月余り、空白都県での登録が急がれる。
 
 

インボイス制度始まる 収入の実質減に懸念 2023/10/20

課税事業者に転換した下請けが、新たに負担する消費税分を請負価格に上乗せできなければ、実質的な収入減になりかねない インボイス制度が10月1日から始まった。企業間の重層的な取引が多く、一人親方などの免税事業者が多数働いている建設業界に及ぼす影響は大きい。元請け・下請けの双方で事務負担の増加が懸念されることに加え、税負担を巡る取引条件の見直しにもつながるからだ。特に、免税事業者に対する一方的な取引価格の引き下げなどは、独占禁止法に触れる恐れもある。元下間の健全な関係を維持できるよう、適正な取引を一層、徹底しなくてはならない。
 インボイスとは、売り手が買い手に対し、正確な適用税率や消費税額を示す請求書のこと。事業者間の取引で各段階に課される消費税は、次の段階で控除される仕組みとなっており、各取引で課税される消費税額の把握にインボイスが用いられる。免税事業者はインボイスを発行できないため、取引先は仕入税額控除を受けられなくなる。
 このため、取引先の免税事業者に対し、課税事業者になるよう要請する元請けや上位下請けが増加。経済産業省による今年1月の調査では、建設業の免税事業者の17・6%でこうした例があった。このうち、見積もりに消費税額の反映を予定しているのは23・4%、価格引き上げを含めて発注側から相談に応じると言われているのは3・7%だった。その一方で、登録の求めに応じなければ値下げか、取引を打ち切ると発注側から一方的に言われている免税事業者も10・3%を占めた。
 こうした事態に備え、各省庁は不当な取引の考え方を整理。特に、下請けの免税事業者に対し、仕入税額控除ができないことを理由として取引先が一方的に価格の引き下げを決めることは独占禁止法上の「優越的地位の濫用」に該当する恐れがある他、建設業法違反となる恐れもある。
 免税事業者から課税事業者になったとしても、新たに負担する消費税相当額を取引価格に上乗せできなければ、下請けにとっては実質的に減額となる。建設経済研究所と全国建設労働組合総連合のアンケートでは、収入の減少や書類負担の増大を懸念し、特に70歳以上の一人親方の約2割が離職を検討していることも分かった。高齢技能者の離職が加速すれば、人手不足のさらなる深刻化につながりかねない。
 公正取引委員会と中小企業庁は、総合工事業など「優越的地位の濫用」に関する法違反が多く見られる27業種を対象に、取引の適正化を促すフォローアップ調査を進めている。業界の自主的な取り組みを促し、取引の適正化につなげる考えだ。
 インボイス制度には経過措置が設けられており、開始後も6年間は、免税事業者との取引でも仕入税額控除を一部、適用可能としている。また、課税事業者となった一人親方などの小規模事業者は、簡易課税制度や「2割特例」など、仕入税額を簡易に算定する仕組みを利用することもできる。
 元請けや上位下請けにとっても、取引先が免税事業者であるか否かや、課税事業者となる意向の確認など、一定の事務負担が発生する。経過措置を活用しつつ、法令違反とならないよう、取引先との交渉を適正・着実に進めなくてはならない。
 
 

広がる現場の脱炭素化 GX建機認定制度がスタート 2023/11/9

まずは電動建機から認定を始めるが、水素エンジンやバイオマス・合成燃料といった新たな動力源による建機の認定も見据える 国内の建設現場での二酸化炭素(CO2)を含めた温室効果ガスの排出量は、国内の全排出量の約0・7%を占める。その多くは施工時に排出されており、建設分野でのカーボンニュートラルが大きな課題となっている。
 国土交通省の試算によると、公共土木工事におけるCO2の年間排出量は1666万d。資材を加工し運搬するサプライチェーン分を除いた建設現場だけで600万dを超えるという。
 そこで、国交省は建設機械の脱炭素化に着目。初弾の取り組みとして、10月に「GX建設機械等認定制度」を創設した。
 まずは温室効果ガスを直接的に排出しない電動建機の現場導入を促進し、建設施工分野のCO2排出量ゼロを目指す。将来的には、水素エンジン、バイオマス・合成燃料といった新たな動力源による建機の認定も見据える。
 対象建機は、油圧シャベル(標準バケット山積容量0・085立方b以上1・70立方b未満)と、ホイールローダー(定格出力40`h以上230`h未満)の2機種で、バッテリー式または有線式の電動建機となる。認定建機には認定ラベルを貼り付け、誰もが一目で分かるようにする。
 認定に際しては、日本建設機械施工協会規格(JCMAS)が定めた電力消費量の試験方法に基づく、建機標準動作時の電力消費量の計測データを参考にする。将来的には、電力消費量を燃料消費量に換算し、基準値とすることも想定している。
 JCMASでは、新たにラフテレーンクレーンの試験方法を検討中。国交省は、試験方法が定められた場合、同建機も認定対象に加えるよう検討する。
 国内市場に出回っている電動建機は、小型のバックホウなどに限られており、台数も少ない。普及に向けては需要を増やし、もっと市場に出回るようにし、中小零細企業でも利用しやすい、手ごろな価格にしていく必要がある。国が認定することでGX建機の建設現場への導入を促し、建機メーカーによる開発・普及に弾みをつけたいところだ。
 利用者が増え手ごろな価格になり、さらに利用者が増え、一層の脱炭素につながる―。そのような好循環の実現が期待される。
 
 

コンピューター方式の資格試験 受験機会の確保へ、活用広がる 2023/11/24

CBT方式では、PC操作への慣れも要求される 2023年度から、国家資格である電気主任技術者と電気工事士の試験で、コンピューターを使った試験方式(CBT)が導入された。背景にあるのは、深刻化する技術人材の不足だ。CBTを活用することで、試験会場を増やしたり、受験の時期を柔軟に選べるようにし、試験の機会を増やすことで人材確保につなげる狙いがある。
 CBT方式を導入したのは、第三種電気主任技術者試験と、第一種・第二種の電気工事士試験のうち学科試験だ。この方式でも、マークシートに筆記する従来方式の試験と同様、会場に集合する必要があることは変わらない。CBT方式では、会場内に用意されたコンピューター端末を使って画面上で正答を選択することになる。
 これらの試験を、働きながら受ける人も少なくない。これまでは、試験に応募はしたものの、仕事などの都合で受験できなくなり、半年から1年間にわたって次回の試験を待たなければならない例が一定数出ていたという。
 そこで、資格を所管する経済産業省は、電気工事士法施行規則、電気事業法の規定に基づく主任技術者の資格に関する省令をそれぞれ改正。CBT方式による試験を可能にしたことで、従来は特定の試験日にしか受験できなかったが、試験日程や試験会場を大幅に拡充できた。
 例えば23年度の第三種電気主任技術者試験を見ると、筆記による試験は年2回、全国約60会場で開催している。これに対し、CBT方式では年2回、25日間のうち1日を選べるようになっている。さらに、全国約200会場で受験できるようにし、受験の機会を増やした。
 経産省は今後、さらなる受験機会の拡充を検討。24年度から、第一種電気工事士試験のうちCBT方式で実施するものについて、現行では年1回の試験を2回に増やす考えだ。
 こうした取り組みが進展したきっかけの一つは、コロナ禍だった。事業用の電気通信ネットワークの工事に関する電気通信主任技術者、工事担任者では、感染症の拡大を防止するため20年度の試験を一部、中止せざるを得なかった。これを受けて総務省は関係する省令を改正し、21年度からCBT方式を可能にした。建設コンサルタンツ協会が運営するシビルコンサルティングマネージャ(RCCM)も、コロナ禍を契機としてCBT方式を開始している。
 この他、建設分野特定技能1号評価試験も、CBT方式により実技・学科試験を行っている。
 広がりつつあるCBT方式の試験だが、課題もないわけではない。受験者がコンピューターの操作に習熟していなければ、本来の能力を発揮できないかもしれない。試験監督の方法をはじめ、不正防止の体制も新たに整備する必要がある。
 とはいえ、建設分野の人材不足に出口は見えない。CBT方式の活用をはじめ、受験機会の確保に向けた取り組みは今後、さらに加速しそうだ。
 
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