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Catch-up <2023年2月〜3月号>

建設業に関わるトピックスを分かりやすく解説するコラム『Catch-up』バックナンバーです。
 

工期短縮に有用な多能工 インセンティブの付与を 2023/2/3

公的な資格や評価制度で技能者が目指したくなる職種に 残業時間規制の適用を1年後に控え、「多能工」の工期短縮に対する有用性が注目されている。大手ゼネコンでは、実技や座学などを通じて、協力会社の技能者を多能工として育成し認定する取り組みを始めている企業もある。
 多能工は、連続した複数の作業や工程を遂行するスキルを持つ技能者。昨年末には、国土交通省が建設キャリアアップシステム(CCUS)の技能レベルを用いて、多能工の姿を「一つの職種でレベル2相当以上の技能を持ち、かつ、他の職種でレベル1〜2相当以上の業務を行える者」と、初めて例示した。
 こうした多能工を活用すれば、工期が約20%削減できるという。例えば、鉄筋コンクリート構造物の構築工事で、起工測量から土工、鉄筋、型枠、コンクリート打設までを、専門工がそれぞれ施工した場合、全工程を終えるのにおよそ40日かかる。多能工なら30日で済む。職種ごとに技能者を入れ替える必要がなく、技能者の手待ち時間が縮減できるからだ。同一の者が複数の工程を行うため、マネジメントも容易で、作業の効率化にもつながるという。まさに建設技能のマルチプレーヤーだ。
 国交省が実施したアンケート調査では、建設企業の約9割が多能工を「必要」と回答。期待するメリットとして、6割超が手待ち時間や移動時間の削減による利益率の向上を上げた。
 一方で、複数の工種を習得するため、「費用や時間がかかる」といった育成に後ろ向きの意見も見られた。特に、技能者の多能工化に取り組まない理由では、「希望する技能者がいない」とする回答が最多を占めた。現状では、多能工化のモチベーションとなり得る公的な資格や評価制度はない。
 とは言え、現場の生産性向上が急がれる中で、手待ち時間をなくし工期を短縮できる効果は魅力的だ。繁閑調整や受注機会の拡大にも役立つとされる。何より、担い手不足の時代に、複数の工種を一人でこなせる人材は貴重だろう。多能工の育成・活用に向けて、技能者自身が多能工をスキルアップの目標とし、モチベーションを上げていける環境整備が必要だ。地域の建設企業や専門工事業者からは「労務単価を新たに設定することが必要」といった声も上がっている。技能者が目指したくなる職種へ、多能工たるインセンティブの付与が急がれる。
 
 

高速道更新に1・5兆円 新たな老朽箇所が判明 2023/2/17

点検の進展、技術の高度化によって対策を要する箇所が新たに見つかった。 東日本高速と中日本高速、西日本高速のNEXCO3社が1月31日、高速道路の老朽化対策で新たに約1兆円が必要になると発表した。さらに、首都高速が昨年末、阪神高速も今年1月に合計約5000億円を投じる新たな更新計画を公表。5年に1回の点検や、新技術を取り入れた検査により、従来は把握できなかった高架橋の内部などにも腐食、劣化が見つかったためだという。
 各高速道路会社は2014年度以降、床版や下部工そのものを取り替える大規模更新、通常の補修では追いつかない損傷を直し、補強する大規模修繕を進めてきた。事業規模はNEXCO3社が約3兆円(許可時点、物価上昇分などを含め現在は約4兆円)、首都高速が約6300億円、阪神高速が約3700億円で、多くの路線で今も工事が進められている。
 しかし、5年に1回の構造物点検や、新たな検査手法の導入に伴い、従来は見つけづらかった老朽箇所や、把握が困難だった劣化メカニズムが明らかになってきた。例えばNEXCO3社では、電磁波レーダー探査による床版の調査で、目視では確認できない舗装下の床版上面の劣化や内部のひび割れが判明。超音波による探査でプレストレストコンクリート鋼材のグラウト充てん不足も見つかったという。
 こうした状況を踏まえ、各高速道路会社は有識者による技術検討会を設置。昨年末から今年にかけて、新たな更新計画を相次いで発表した。高耐久な床版・路盤への取り替えや、臨海部での塩害耐性の強化など、より劣化しにくい高速道路とするための対策も盛った。
 事業費と施工延長の内訳は、東日本高速が約3000億円(180`)、中日本高速が約4000億円(130`)、西日本高速が約3000億円(190`)、首都高速が約3000億円(22`)、阪神高速が約2000億円(22`)にも及ぶ。
 政府はこうした更新事業の財源を確保するため、高速道路料金の徴収期間を現行の2065年から最長で50年間延長し、2115年までとする法案を2月に決定。今国会での成立を目指すとしている。
 斉藤鉄夫国交相は改正法案の決定後の会見で、将来的にはさらなる更新事業が必要となる可能性にも触れた。今後は、更新が必要となるたびに、延長した50年間で債務を返済できることを確認した上で新たな計画を認可する仕組みとする。
 供用中の道路の更新工事は施工上の制約が大きく、交通に及ぼす影響を低減する必要があるなど新設工事と異なる課題も多い。新たな更新事業の実施に当たっては、14年度から進めてきた大規模更新・修繕事業で得たノウハウを事業の効率化に生かすことが重要だ。将来の維持管理コストを軽減できる長寿命な高速道路を実現するためにも、建設企業には高い技術力が求められることになる。
 
 

新たな空き家対策で法改正 管理不全物件の撤去・活用に弾み 2023/3/3

ペナルティを強めることで、できるだけ早い段階で所有者の意識を空き家の撤去・活用へ向かわせる 空き家が増え続けている。居住目的のない空き家は1998年からの20年間で約1・9倍に増加した。2018年時点で全国に350万戸の空き家があり、30年には470万戸まで増える見通しだ。
 空家対策特別措置法が15年度に全面施行し、倒壊する危険性が特に高い物件は「特定空き家」と規定された。自治体が所有者に、修繕や撤去を指導・勧告し、従わなければ、土地の固定資産税の優遇措置を解除する。行政代執行で撤去できるようにもした。
 一方で、空き家の増加には、依然として歯止めがかからない。国土交通省では、「土地の固定資産税の優遇措置」が増加の大きな要因になっていると見ている。土地の固定資産税は、住宅が建っていれば、さら地の状態と比べ、最大6分の1に減額される。所有者からすれば管理できなくても残しておくことにメリットがあるというわけだ。
 そこで、優遇措置をより早い段階で解除できるようにする。具体的には、特定空き家になる前段階の状態として、窓が割れていたり、敷地に雑草が茂っている空き家を「管理不全空き家」と新たに規定する。自治体が指定し、所有者に適正な管理を指導・勧告する。改善されなければ、優遇措置を解除する。放置した場合のペナルティを強めることで、所有者の意識が、さら地化やリフォームによる活用などへ向かうようにし、特定空き家になることを未然に防ぐ。
 空き家は7割超が一戸建て住宅とされ、腐朽・破損のあるものが100万戸を超える。放置を続けた場合、周辺の景観や住環境にも悪影響を及ぼす恐れがある。また、空き家の約4分の3が旧耐震基準で建築されたものでもある。地震で倒壊し、道路をふさぐことで迅速な災害復旧を妨げ、通行者に危険が及ぶ可能性もある。
 自治体としては、空き家を上手に活用すれば、地域経済活性化につなげることもできる。撤去後の敷地を公園などに利用できれば地域住民の健康増進にも役立つ。
 国交省は、所有者や家族に「住宅を空き家にしない」という意識の醸成を促しながら、空き家バンクへの登録などで、空き家の活用促進に取り組むとしている。法改正に向けた会見で斉藤鉄夫国交相は、「さまざまな政策ツールを総動員し、空き家対策にかかわる施策を具体化していく」とした。
 
 

木材の合法性確認 “川上”から信頼を担保 2023/3/17

クリーンウッド法の改正案では、木材流通の川上での合法性確認と、情報の伝達を義務化する。 木材の合法性確認を厳格化するクリーンウッド法の改正案が2月末、閣議決定された。生産者や海外から木材を買い付ける事業者に対し、違法に伐採されたものでないことの確認を義務付ける。木材流通の“川上”で合法性を調べ、工務店や小売り事業者を介して“川下”の消費者の手元に届くまで信頼性を担保できるようにする。
 合法性の確認が必要とされるのは、原産国の法律に反して伐採された木材が多く流通しているためだ。全世界では、森林伐採の15〜30%が違法だとされている。自然環境の破壊につながるだけでなく、テロ組織などの資金源にもなっているという。また、違法に伐採された木材の流通が木材価格を不当に引き下げるなど、公正な取引を阻害する恐れもある。
 2016年に成立した現行法では、工務店を含め、木材の加工・流通に携わる全ての事業者に対し、合法に伐採された木材を利用する努力義務を課している。対象となるのは、丸太や集成材といった木材だけでなく、フローリングや木質系セメント板、家具など多岐にわたる。合法木材の利用に取り組む事業者の登録制度も設けている。
 林野庁の調査では、国内の木材の総需要量のうち、合法性を確認できているのは20年度時点で40%程度。世界各国で違法伐採に厳しい目が向けられるようになったことを踏まえ、国内でも法に基づく規制を強化することにした。
 クリーンウッド法改正案で合法性の確認を義務化するのは、立木を伐採・販売する事業者からの木材の買い付けや外国産材の輸入を営み、木材流通の川上に位置する事業者だ。これらの事業者に対しては、合法性に関する記録の保存と情報の伝達も求める。流通の各段階で、必要に応じて木材の合法性を確認できるようにする。
 合法性確認の実効性を確保するため、木材を伐採する「素材生産販売者」には問い合わせに対して伐採届などの情報を提供することも義務付ける。流通の川下に位置し、消費者と直接やり取りする木材の小売り事業者についても木材関連事業者に位置付け、確実に合法性確認を行う場合は登録を受けられるようにする。
 一連の措置の実効性を高めるため、義務違反に対しては勧告や命令、命令違反に対する罰則も設ける。一定規模以上の川上の木材事業者に対し、合法性確認に関する定期報告も義務付ける。
 改正法は25年度にも施行される。森林資源の保護は持続可能な開発目標(SDGs)にも掲げられており、企業の関心は高い。住宅だけでなくオフィスビルでも木材利用が進む中で、扱う木材の合法性を担保することは、建設業の競争力にも直結する可能性がある。
 
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    改正建築物省エネ法の成立は、建築分野の脱炭素化に向けた大きな一歩となった。新築建物については種類を問わず、省エネルギー基準への適合が義務化されることとなった。だが、ある“難題”がまだ立ちはだかっている。

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    9人の尊い命を奪った中央道の笹子トンネル天井板崩落事故から10年がたった。国の調査委員会が「わが国において例を見ない」と形容したこの悲劇をきっかけに、インフラ保全の重要性が改めて強く認識され、日本のメンテナンス行政は大きく動いた。

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    いまから備えるインボイス
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