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三重県、市・町 2012年度入札契約制度アンケート調査結果
志摩市など 8市6町が入札契約制度を改正
三重県と県内の14市15町の市町を対象に、本紙調査による入札契約制度アンケートを5月に実施した。設問項目は、2012年度からの制度の変更点や現行制度や、11年度の総合評価落札方式、電子入札の導入状況など。
<2012年度の制度などの変更点>―表1
12年度に入札契約制度・方式で何らかの改正を行った市町は8市6町の14市町にのぼった。その中で、一般競争入札については、多気町が工事で、玉城町が測量・設計業務を対象に新たに導入した。また志摩市が測量・設計業務で、大台町、明和町が工事で対象範囲を拡大した。
今回の回答で最も多い改正点は、最低制限価格の算定方式の改正で中央公契連(中央公共工事契約制度運用連絡協議会)の最低制限価格モデル(2011年4月版など各モデルあり)に準じた算定方式を導入した市町が9市町あり、最低制限価格の範囲が一定度アップした。総合評価落札方式の導入では、大台町、多気町が5000万円以上の工事を対象に試行する。
なお南伊勢町については、11年10月に、「最低制限価格の改正」、「予定価格の事前公表実施」を行っており、12年度も引き続き実施している。(比較のため表最下段に明記)。
また三重県は、入札契約制度自体の変更はないが、総合評価方式の評価項目について、工事成績、手持ち工事量の評価を段階評価から計算式(直線式)に改正するなどの見直しを行い4月から適用している。
<前払金制度の変更点>―表1
「前払金制度」についての設問で、尾鷲市が前払率を一律40%に引き上げるなど3市1町が12年度から改正を行った。
12年度の改正では、尾鷲市が、工事の前払率を従来、契約額に応じて3区分で30%から40%の範囲で指定していたが、「500万円以上」を一律「40%」に改正し、また測量・調査・設計の委託業務も契約額に応じて3区分で20%から30%の範囲で指定していたが、「500万円以上」を一律「30%」に改正した。また大台町が100万円以上の工事で、従来の30%を「40%」に引き上げた。いずれも4月1日から適用した。このほか、運用面で、四日市市と伊賀市が改正を行った。
今回の改正も含めて県全体の工事の前払率を40%に設定(対象額は各自治体の基準あり)しているのは県および14市、木曽岬町など12町となった(朝日町は一部30%)。一方、30%の設定は多気町、明和町、度会町の3町となった。測量・設計など委託業務で前払制度を導入しているのは、県および14市で、前払率30%で実施。町は12町が実施しており、11町が前払率30%で実施している。
また、中間前払金については、県、津市、伊勢市、名張市、大台町が実施している。
<一般般競争入札の導入状況、予定価格の公表時期>―表2
【県、市】
一般般競争入札の導入状況、予定価格の公表時期についての回答のうち、12年度に県、市が施行する入札方式を見ると、50万円未満や130万円未満など小額な基準の案件を除いて原則全ての工事、測量設計で一般競争入札を導入しているのは、桑名市、四日市市、津市、伊賀市、名張市、松阪市、伊勢市の7市。また、工事、測量設計で一般競争入札を導入しており、一定の金額の基準を工事、測量設計の両方、またはいずれかで設けているのは、鈴鹿市、志摩市の2市となっている。また工事に限定して一般競争入札を導入しているのは、県、いなべ市、亀山市、鳥羽市、尾鷲市の4市。
なお、原則一般競争入札を導入している県はじめ市でも、緊急を要する工事などでは、指名競争入札や随意契約で対応している。
また予定価格(一部、設計価格)の公表時期を見ると、全ての案件で事前公表しているのは県と桑名市、四日市市、鈴鹿市、津市、伊賀市、名張市(設計価格)、志摩市、尾鷲市の8市。また、全て事後公表としているのは、いなべ市、亀山市、松阪市、熊野市の4市。このほか、鳥羽市は一般競争入札を事前公表、指名競争入札を事後公表に、伊勢市は試行的に建設工事で5000万円以上(設計金額)と測量設計で300万円以上(〃)の案件の中から業種別に3分の1の案件で事後公表を試行(11年6月から)している
なお、原則一般競争入札を導入している県はじめ市でも、緊急を要する工事などでは、指名競争入札や随意契約で対応している。
また予定価格(一部、設計価格)の公表時期を見ると、全ての案件で事前公表しているのは県と桑名市、四日市市、鈴鹿市、津市、伊賀市、名張市(設計価格)、志摩市、尾鷲市の8市。また、全て事後公表としているのは、いなべ市、亀山市、松阪市、熊野市の4市。このほか、鳥羽市は一般競争入札を事前公表、指名競争入札を事後公表に、伊勢市は試行的に建設工事で5000万円以上(設計金額)と測量設計で300万円以上(〃)の案件の中から業種別に3分の1の案件で事後公表を試行(11年6月から)している
【町】
15町の一般競争入札の導入状況、予定価格の公表時期の回答を見ると、工事、測量設計で一般競争入札を導入しており、一定の金額の基準を工事、測量設計の両方、またはいずれかで設けているのは、木曽岬町、玉城町となっている。また工事に限定して一般競争入札を導入しているのは、東員町、菰野町、川越町、明和町、多気町、大台町、紀北町、御浜町。全ての案件で指名競争を適用しているのは、朝日町、度会町、南伊勢町、大紀町、紀宝町。
予定価格の公表時期を見ると、全ての案件で事前公表しているのは菰野町、朝日町、川越町、多気町、大台町、南伊勢町、大紀町、紀北町、紀宝町の9町。
<総合評価方式>―表3
【実施状況】
総合評価方式、電子入札の導入状況についてまとめた。総合評価方式については、11年度に県と桑名市など8市4町が実施したことなどが分かった。
県は、工事関係のうち土木工事で5000万円以上、建築工事で1億円以上などの工事を対象に適用しており、11年度は簡易型で271件、標準型で3件の計274件で実施した。このうち、技術評価点により価格順位を逆転して落札したケースは136件あり、49・6%を占めた。なお、10年度は簡易型333件、標準型4件の計337件で実施し、同様に逆転したケースは179件あり、53・1%を占めた。なお県は12年度の見込みとして簡易型で300件程度の実施を予定している。
市では、いなべ市、桑名市、四日市市、鈴鹿市、伊賀市、名張市、志摩市、熊野市の8市、町では明和町、多気町、大台町、玉城町の4町が実施した。対象工事は「5000万円以上」の工事から抽出するケースが多く、件数では鈴鹿市の19件が最多で、大半は1〜4件の試行に留まった。
また12年度に1件以上の実施を予定している市町は、鈴鹿市、伊賀市、名張市、松阪市、志摩市の5市と、明和町、多気町、大台町、玉城町、紀宝町の5町だった。
なお10、11年度の2年間で、制度を適用したのは、県と10市6町となった。
県は、工事関係のうち土木工事で5000万円以上、建築工事で1億円以上などの工事を対象に適用しており、11年度は簡易型で271件、標準型で3件の計274件で実施した。このうち、技術評価点により価格順位を逆転して落札したケースは136件あり、49・6%を占めた。なお、10年度は簡易型333件、標準型4件の計337件で実施し、同様に逆転したケースは179件あり、53・1%を占めた。なお県は12年度の見込みとして簡易型で300件程度の実施を予定している。
市では、いなべ市、桑名市、四日市市、鈴鹿市、伊賀市、名張市、志摩市、熊野市の8市、町では明和町、多気町、大台町、玉城町の4町が実施した。対象工事は「5000万円以上」の工事から抽出するケースが多く、件数では鈴鹿市の19件が最多で、大半は1〜4件の試行に留まった。
また12年度に1件以上の実施を予定している市町は、鈴鹿市、伊賀市、名張市、松阪市、志摩市の5市と、明和町、多気町、大台町、玉城町、紀宝町の5町だった。
なお10、11年度の2年間で、制度を適用したのは、県と10市6町となった。
【総合評価方式導入によるメリット、導入への課題など】
同制度の導入による「効果・メリット」への回答(複数回答)では、@品質の確保―20件A不良不適格業者の排除―8件B民間企業の高度な技術力の活用―6件C低価格の防止―5件D地元への環境対策―4件となり、品質の確保を大きな効果とする意見が最も多かった。
一方、「導入を阻害する要因や課題」としては、@入札後の契約までの期間の長期化と工期への影響―22件A技術系職員の不足―13件B対象工事の不足―6件C価格重視の傾向か強い―5件、となり、通常の入札に比較して審査期間に時間がかかることによる影響を懸念する意見が多くを占めた。
一方、「導入を阻害する要因や課題」としては、@入札後の契約までの期間の長期化と工期への影響―22件A技術系職員の不足―13件B対象工事の不足―6件C価格重視の傾向か強い―5件、となり、通常の入札に比較して審査期間に時間がかかることによる影響を懸念する意見が多くを占めた。
<電子入札の導入状況>―表3
電子入札を導入しているのは、県(03年度導入)、桑名市(10年度)、松阪市(04年度)、伊勢市(08年度)の県と3市だった。他の市町では一部で導入を検討しているとの回答があったが、具体的な導入時期などを打ち出しているところはなかった。電子入札導入に対しての課題として、「費用対効果が低い」などコスト面を挙げる市町が大半を占めた。
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