東京都が、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)のアクセス道路として整備してきた地域高規格道路・新滝山街道(約7`)。3月16日に谷野街道(八王子市丹木町3丁目)から高尾街道(同市戸吹町)までの約2・6`が交通開放され、これにより全線の開通となった。
今回の開通により、並行する国道411号(緊急輸送道路)の渋滞が緩和されるとともに、国道16号から圏央道あきる野インターチェンジへのアクセス性が向上し、都県を越えた人・物の交流に期待が寄せられている。
新滝山街道は、国道16号(八王子市左入町)から圏央道あきる野インターチェンジ(IC)を結ぶ国道411号に代わるバイパスとして、谷地川南岸の約7`のルートに計画。
まず、起点側の国道16号からかすみ学園通りまで(約1・3`)と終点側の秋留橋区間(0・4`)が先行して整備された。
第1〜第4工区については1997年4月に都市計画決定され、この区間を含めたあきる野ICから国道16号までが98年6月に地域高規格道路の計画路線に指定。その後、2004年3月に第2〜第4工区が整備区間に指定され、第1工区も06年に指定された。
すでに、第4工区(高尾街道〜秋留橋付近、約1・6`)は04年度に交通開放。次いで第1工区(かすみ学園通り〜谷野街道、約1・1`)も08年度に交通開放されている。
今回の開通区間(2・6`)の第2工区(谷野街道〜都道186号線、約1・2`)と第3工区(都道186号線〜高尾街道、1・4`)は、04年度から事業に着手し、計画幅員30・5〜36bの上下各2車線の道路を整備。約145億円の事業費を投じて開通を迎えた。
今回の開通区間のルートは、自然豊かな八王子市の丘陵地を通過する箇所もあるため、事業を所管する東京都南多摩西部建設事務所では、自然環境と調和を図るよう配慮した。
環境施設帯や緑化を施した中央分離帯を設け、沿道には緑化ブロックを配し、斜面への種子吹付により自然環境の保全を図っている。
地域に生息する希少動物のオオタカの繁殖期には、大規模な伐採や掘削を行わないよう工程を調整して施工に当たった。
今回開通する区間の一部では、副道地下に11カ所の雨水貯留施設(合計約2500立方b)を設け、降雨時に河川への雨水流出を抑制する構造となっている。車道部は低騒音舗装、歩道部は透水性舗装を採用して周辺の生活環境にも配慮した。
また、ルートは既設の民間ゴルフ場脇を通るため、車両交通の安全を確保するため飛球対策施設も設置している。