【中部地域】私たちの主張〜未来を創造する建設業|建通新聞社

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14年度作文コンクール 東海3県の受賞作

〜国土交通省と建設産業人材確保・育成推進協議会〜

 

 国土交通省と建設産業人材確保・育成推進協議会が行っている作文コンクールで2014年度、東海3県では2人の作品が入賞した。建設業に入職する若者への建設業従事者からのメッセージ「私たちの主張〜未来を創造する建設業」で、矢作建設工業(愛知県)の紀伊保さんの『いまどきの「若者」と「建設技術者」の違い』が国土交通省土地産業局長賞に選ばれた。また、工業高校生を対象とする作文コンクール「建設業の未来を担う高校生の君たちへ」で、愛知県立岡崎工業高校3年の木元勇斗さんの「建設業について」が佳作となった。
紀伊さんは会社で若手技術者の教育担当責任者を務めている。安全衛生推進大会のプレゼンテーションで知った、若手技術者が抱くビジョンを伝えた。
また、木元さんは、災害復旧の報道をきっかけに建設業の役割に興味を持ったことや、インターンシップで知った建設業の魅力を書いた。
 

いまどきの「若者」と「若手技術者」の違い


紀伊保

 私は、当社の若手技術者の夢やビジョンを引き出すプレゼンテーションを企画し、その取り組みを通じて、彼らの「熱い思い」を受け取った。この紙面を借りてその「思い」を紹介したい。いつの時代も「いまどきの若いもんは…」と揶揄されるが、「いまどきの若手技術者」は、光り輝くものを持っていると実感した。
考えてみると、建設業を取り巻く環境も大きく変わった。私は20年以上、土木の現場の第一線で働いてきたが、私が入社した頃は建設現場のやり甲斐や目標は明確だった。現場が大好きだった。物をつくる醍醐味や達成感にしびれた。永久に残る構造物を見て誇りに思ってやってきた。
そんな私も今では管理職として、若手技術者の教育担当責任者となった。もちろん技術や知識を教えることも大切だ。でも私たちが彼らに本当に教えなければならないことは、建設の魅力ややり甲斐ではないだろうか。
私は常日頃から、現場の最前線で走り回る若手社員に光を当てようとしてきた。また、現場で汗を流して一生懸命働く職人さんへの感謝の気持ちを伝えてきた。そうすることが彼らにとって、建設に対するやり甲斐やモチベーションにつながると考えていたからだ。
私は、彼らの「思い」を伝えるため当社が主催する安全衛生推進大会でプレゼンテーションをしようと企画し、元気な若手技術者16名に声を掛けた。会場に集まった多くの人たちに彼らや職人さんが現場でどのような「思い」で働いているのかを知って欲しかった。そして、その「思い」を共有したかったのだ。
その一方で最近の若者には夢がない、何事にも一生懸命になれないとよく言われる。複雑で多様な価値観があふれる現代で、果たして彼らにはどんな夢があるのだろうか。
そこで、私は彼らの一人ひとりと夢やビジョンについて何回も話し合った。言葉にして、文字にすることで、おぼろげだった彼らのビジョンが明確になってきた。そして、同時にビジョンを語る彼らの顔がみるみる明るくなり、笑顔がこぼれ、目が輝きだしたのだ。
彼らが語るビジョンは、私の当初の不安を払拭してくれた。「誰からも信頼される所長になる」「日本の復興に貢献する技術者になる」「お客様の笑顔のために一人前の設計士になる」「自分が一生懸命やることで周りの人によい影響を与え続け、最高の建物をつくれる所長になる」「建設業の魅力が伝わる世の中に変える」と熱く強く語ってくれた。
そして、彼らはやがてまるで皆が申し合わせたように、上司や家族、職人さんへの感謝の気持ちを口にするようになった。「以前、高さを間違えて夜中まで職人さんに残業してもらった。あのときの申し分けない気持ちと感謝の気持ちから、もっとやりやすい段取りをしようと心に決めた」「台風の日、夜中でも駆けつけてくれたオペさんに感謝の気持ちでいっぱいだ」「工程が遅れて焦る僕に一番大切なのは安全だろと叱ってくれた」「仕事は忙しいけれど、そんな自分を応援してくれる家族に感謝したい」彼らの口から出る言葉は、すべて血のかよった本音だった。
建設業は多くの人が力を合わせて何ヵ月も何年もかけて一つのものをつくり上げる尊い仕事だ。その仕事は決して楽なものではない。そんな建設業の魅力はなんと言っても完成の喜びだろう。
でも、実は建設業に携わる人の誰もが感じているもう一つの大きな魅力がある。それは、一つの目標に向かって、みんなの心が一つになるということだ。そのために必要なことは、明確な目標やビジョンを描き共有すること、そして互いに感謝し合うことだ。建設現場には感謝と笑顔がいっぱいある。
そのことを今回の取り組みで彼らから改めて教えてもらった。そして彼らの一人がこんなことを語ってくれた。「一生懸命は奇跡を起こす。一人の力はたかが知れている。でも多くの人の心が一つになり、皆が一生懸命取り組めば本当に奇跡は起きるのだ」と。
みんなの心が一つになれば、どんな難工事もどんなに厳しい工期でも、できないことなんてなにもない。それが人の力。それがチームワークだ。一人の本気が、周りに伝播し、多くの人が共感する。人を動かすのは巧みな言葉や報酬ではない。なにがなんでも達成しようという熱意だ。そして互いを認め合う感謝の気持ちだ。
若い彼らが、それを教えてくれた。彼らの笑顔がまぶしかった。「いまどきの若者」には夢がないといわれるが、「いまどきの若手技術者」の目には、ビジョンと感謝の気持ちが輝いていた。そこには、建設の魅力があふれていたのだ。そんな彼らの笑顔こそが、建設業の未来をつくる原動力だと確信した。



『建設業について』


木元勇斗

 私は、高校を卒業したら建設関係の仕事に就きたいと思い、工業高校へ入学しました。
なぜ建設関係の仕事に就きたいと考えていたかというと、中学生の時に起きた東日本大震災が理由のひとつです。この震災では地震や津波によって多くの被害があったのをテレビのニュースや新聞で知りました。
そして、報道では、日本中の人たちが協力して復興に向けて立ち上がる姿を写していました。そのとき復興に協力していた土木関係の人たちの話を知り、とても興味を持ちました。ショベルカーや建設機械を巧みに使い迅速に瓦礫を撤去し、後方からやってくる支援物資を運ぶための道を作った話を聞いたとき、「これだ」と思いました。このことをきっかけに建設業のことに少しずつ興味を持ち始めました。高校に入学し、今までは漠然と建設業というものを考えていたのですが、勉強していくうちに私たちが生活していくうえでは大変重要な仕事であることがわかりました。実際に災害が起こったときの活躍も素晴らしいのですが、このような大災害が起こった時に被害を少なくすることや、被害がでないようにすることも仕事にしていることを知り、ますます建設業という仕事に興味をもちました。何かが起こる前に備えをし、自分たちの住んでいる街を守る仕事に自分も就きたいと強く思いました。
実際にインターンシップに参加する機会があり自分のあこがれの世界を見ることもできました。夏の暑い中の現場でしたが、現場の監督さんたちは自分の仕事に誇りをもって取り組んでいる姿を目の前で見ることができ、自分の将来の参考になりました。またそのときに聞いた、「自分たちの仕事は直接地図に残る仕事をしている」、また「自分たちが作る道路のおかげでみんなの生活が便利になることが大変やりがいがある」などをきくことができました。私も将来は建設業につき高校生などに建設業の魅力を語ることのできる現場監督になりたいです。

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