モザイクタイル生産量全国1位の多治見市笠原町。その特産品の象徴する「多治見モザイクタイルミュージアム」が6月4日にオープンした。設計は建築家の藤森照信氏が手掛け、タイルの原料となる粘土の採土場の風景をイメージした。施設ではタイルに関連した歴史や文化、生活スタイルを発信しており、地域資源を活用した人的交流、地域づくりが期待される。多治見市内にまた新たなシンボルが誕生。
この度、多治見市モザイクタイルミュージアムが完成し、6月4日より開館しました。
建物のデザインは東京大学名誉教授の藤森照信先生にお願いし、粘土鉱山をイメージした非常に斬新なものとなっています。市の新たな観光名所として、市民の憩いの場として広く活用されることが期待されています。
モザイクタイルミュージアムの建設には、地元企業を中心とした地産地消で進めてまいりました。
内部には、タイルのまちとしての歴史、文化について学べる『ギャラリースペース』と、タイルの様々な利活用を国内外に提案し、積極的に売り込むための商談を行う『商業スペース』があり、全国のみならず世界に多治見市の地場産業の一つであるタイルを発信できます。
また、学び、年間を通じて様々な体験ができるブースも完備しており、子どもから大人まで楽しむことができます。
このミュージアムの開館を機に、皆さまに喜んでいただけるまちづくりをさらに進めてまいります。何卒よろしくお願いいたします。
美術館のテーマとなるモザイクタイルをどう建築として表現するかが難題だった。外壁にただ一面に貼ると普通の建物と化すし、かといってガウディのように造形的にやるわけにもいかない。そこで思いついたのは、タイルの原料である粘土と合わせて表現する方法だった。
現地を訪れるとそこここに、“土取り場”があり、粘土を含んだ土の崖がムキ出し、崖の上には赤松の木が顔を見せている。この光景を外観に使い、土を塗った壁の中に点々とタイルをはめ込んだ。
主要な展示品となるのは長年にわたって収集されてきた歴史的なモザイクタイルで、これらも土と組にして見せることにした。具体的には、土のトンネルを一階から四階まで通り抜けると、突如、大きな穴から外光の入る展示室が開け、そこには色とりどりのタイル絵やタイル製品が所狭ましと姿を現す。加えて、私が作り方を考案した“タイルのカーテン”もキラキラと輝いている。
- 所在地
多治見市笠原町2082番地の5 - 整地面積
6789.65平方b - 規模構造
鉄筋コンクリート造4階建て延べ1925.02平方b - 特徴
外壁は樹脂系塗材をコテ塗りし、その上から土を刷毛で塗ってある。その中にタイルの破片がちりばめてある。