小松島市が建設した西日本で初めての独立盛土形式の津波避難施設「小松島ニュータウン地区津波避難施設」が概成、8月から供用開始する。南海トラフ巨大地震の発生時に襲来が予想されている、最大高さ(津波基準水位)3.4bの津波に備えて、頂上部分に920人収容可能な避難広場を設けている。
海抜6.6b、地上面からの高さ5.5bで、頂上の避難広場の面積は460平方b。盛土量は約7000立方bで、大きさは46.6b×46.9bの正方形状。斜面の勾配を1対1.8以下にして、土が安定する勾配を確保している。
斜面は、土の流出を防ぐため、津波による土の流失を防ぐ工夫を凝らし、地上面〜斜面〜上部まで、全体を盛土部分を強固なセメント改良土で覆う形とし、さらには、芝で保護している。
頂上部分に至るルートとして避難階段(丸太階段)を2方向に配置、このほか車椅子と高齢者用のスロープ、ソーラー照明、手摺りを設けている。
最大高さ(津波基準水位)3.4bの津波襲来時には、避難広場に加えて、浸水面より上部の空間として水面上に残るスロープや斜面を使うことで、小松島ニュータウン地区の住民約2140人の大半の収容も想定、まさに住民の生命を守る命山=iいのちやま)となる予定だ。
工事は、液状化対策で深層混合処理による地盤改良を深さ約17bまで実施、盛土材料には国交省と徳島県が発注した工事で生じた建設発生土を利用した。沈下を防ぐために地盤改良を行った地盤面上に台地状の山を築いている。
工事費は約1億5000万円。工期は2015年5月21日〜16年7月29日(予定)まで。
施工は松本建設(小松島市)が担当した。
- 整備工事 株式会社松本建設
- 盛土土工 株式会社四建
- 階段・照明サイン・防護柵 大久保産業株式会社
- 土砂分別工 株式会社オオタ
- 土工 株式会社鷹鉾組