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(2019/7/26)

 

【静岡県】次世代へ「林業」を守る 静岡県産材普及促進

 

 静岡県内には、各地にスギやヒノキの主要産地がひしめく。子々孫々の繁栄を願った先人たちによるたゆまぬ植林活動により、県民は豊富な人工林を受け継いでいる。これらの遺産を有効に活用し、需要拡大を図り、また、次なる世代のために県の主要産業である林業を守らなければならない。静岡県では、県産材活用へ向けてさまざまな販路を確保しているが、県内においても建築・土木の公共工事や民間住宅への利用促進を図るため、さまざまな施策を展開し、建設業界へも活用を呼び掛けている。県が進める主要施策について、静岡県経済産業部森林・林業局の浅井弘喜林業振興課長に聞いた。

 

浅井弘喜 静岡県林業振興課長

――静岡県の森林の状況は。
県土の64%にあたる約50万fを森林が占め、そのうち約40万fが民有林。このうち人工林の占める割合は59%、全国平均の46%を大幅に上回っている。
天竜、静岡、富士、伊豆などの各地域にスギやヒノキの人工林が育っており、約9割が製材などの原料として利用可能な41年生以上に達している。本県の森林は、全国と比較して約10年早く成熟していると言われている。

――林業の重点施策は。
この豊富な森林資源を循環利用し、林業の成長産業化と森林の多面的機能の維持・増進を図るため、2018年度から「ふじのくに林業成長産業化プロジェクト」を開始。利用間伐の促進や低コスト主伐・再造林システムの構築等による県産材の安定供給、住宅に加え民間非住宅分野での木造・木質化の促進等による県産材製品の需要拡大に取り組んでいるところ。

――県産材の特長は。
適切に管理された森林として第三者機関から認証を受けた「認証森林」が多く、ここから産出された木材を多く供給できる点は強みであると考えている。
静岡の森林面積は全国で16位だが、FSC、SGECという二つの認証機関によって認証された森林面積は、全国4位の約67000f(19年3月時点)。この認証林から、年間約12万立方bの丸太を供給している。
こうした森林認証材を使って、静岡県富士山世界遺産センター、富士山静岡空港ターミナルビル、粟ケ岳世界農業遺産茶草場テラスなどの注目度の高い施設も次々と建設されていることから、森林認証の意義を広め、一層、認証森林を拡大していきたい。

――公共分野での木材利用の状況は。
“ふじのくに”公共建築物等木使い推進プランでは、年間21000立方bの利用を目標としている。道路、河川、防潮堤など公共土木工事の利用は年々活発になり、18年度は目標の119%の17542立方bだった。一方で、公共施設整備(建築物等)では、目標の68%の4223立方bにとどまっているため、利用拡大が急がれる。
19年度から、国から森林環境譲与税が市町に交付され、市町がこの税を財源に木材利用に取り組むことが可能となった。市町の職員を対象に、県産材の使用事例の見学会、木の使い方を学ぶ研修会、個別相談会なども開催していく。

――民間部門での木材利用拡大の具体的方策は。
住宅分野では、県産材を使った家づくりを促進するため、「住んでよし しずおか木の家推進事業」を実施している。品質の確かな木材である「しずおか優良木材」や日本農林規格(JAS)材を一定の基準以上使用した場合、その使用量に応じて、施主に助成するもの。4年前からリフォームにも適用範囲を広げ、18年度実績は1100棟。さらに増やしていきたいので、設計事務所や工務店には、家づくりを予定している人に県産材の利用を積極的に提案してもらいたい。
非住宅分野は、木材の利用が進んでいないことから、木造化・木質化の模範となる非住宅の建築物を顕彰する「ふじのくに木使い建築施設表彰」を隔年で実施している。これまでに保育園、金融機関の店舗、会社事務所、卓球場など、木の良さを実感できる施設を表彰した。
また、非住宅分野で県産材を活用する設計者を確保するために、木造設計に意欲のある設計者を対象に「ふじのくに木使い建築カレッジ」を開催し、木材に関する知識を学んでもらっている。
さらに、国産材利用の機運の高まりや建築基準法の改正などにより、今後、都市部の木材利用の拡大が見込まれるため、首都圏を中心とした販路の拡大にも取り組んでいる。これまでも県内企業の首都圏展示会の支援などに積極的に取り組んできたが、19年度は、オリンピック・パラリンピックの選手村ビレッジプラザ整備に静岡県産の森林認証材JAS製品を提供し、その品質と供給力を全国に向けて積極的に情報発信していく。

――地元で扱う丸太が不足しているという声も。
山側の生産量が季節的に変動することなどにより、製材工場等が欲しい丸太を安定的に調達できないことは問題だ。このため、県では、製材工場のネットワーク(水平連携)と山側が丸太の安定供給に関する協定を結んでもらい、協定に基づき、山側から計画的に生産、供給する仕組み(垂直連携)を進めているところ。

――建設業界へメッセージを。
木材は、暮らしや街並みに潤いを与えてくれる素材であり、数少ない再生産可能な資源である。県産材を使うことは、森林資源の循環利用を通じて、“しずおかの森林”を適切に管理していくことにつながる。県産材の一層の活用をお願いしたい。

 

 静岡市は、清水区小河内に市産森林認証材を使用した木製治山堰堤を整備、土木工事として全国初となるSGEC/PEFCプロジェクトCoC認証を取得した。今回の工事に使用した木質材料は、全て市内のSGEC認証林から搬出した丸太を、円柱丸太に加工して製作。加工業務等に携わった静岡県森林組合連合会の中谷多加二会長に、県産材普及や土木構造物への木材使用について聞いた。

 

静岡県森林組合連合会 会長 中谷 多加二氏

――静岡県森林組合連合会の取り組みは。
事業の柱は、木材共販・木材流通・森林組合への指導や研修の開催・調査購買。具体的には山林部の地籍調査、原木市場運営、原木直送販売、木材製品販売など。今回の木製治山堰堤整備には、木材製品販売事業として、円柱加工丸太を販売した。

――木製治山堰堤が受けた「SGEC/PEFCプロジェクトCoC認証」とは。
静岡市発注の小河内(夜名戸)治山工事で、高さ2.62bの木製校倉式床固工1基を整備。11.4立方bの木材を使用した。
SGEC(Sustanable Green Ecosystem Council)は、日本語で「緑の循環認証会議」と訳す。7基準を満たす持続可能な森林管理が満たされている森林に、独立した第三者審査機関が審査、認証を与えるもの。
2005年に静岡市林業研究会が899fの「SGEC森林認証(FM)」を取得、林業者グループとしては全国初だったこともあり、県内外から注目された。静岡市内には4838fのSGEC森林認証林(FM)があり、森林認証林からの木材を、どのように利用していくかが、今後の課題の一つ。木材利用の多くの比率を占める土木分野にも、森林認証材をPRしていく必要がある。まさに今回、静岡市が土木分野での「SGEC/PEFCプロジェクトCoC認証」を取得したことは、認証材のPRに大きく貢献したかたちとなった。中山間地域の地域循環に寄与すること、SDGsの目標にも賛同するものとなっている。

――土木構造物への県産材使用に向けて。
県内の他地域でも森林認証林が増えてきている。今回の静岡市産材同様の取り組みができないか提案していく。
また、今回は木製堰堤だったが、護岸などにも活用可能。土木事務所や、ため池などの農業分野での利用も訴えていきたい。
設計者、コンサルタント会社、建設業者でも、森林認証に対する認知度は高くない。関係機関と協力しながら、木材活用の工法の普及促進に向け取り組みを強化していく。

 

静岡県産材使用例 公共に、民間に、土木に、建築に

 

静岡市 木製治山堰堤  土木工事全国初SGEC/PEFCプロジェクト認証
静岡市は、市産森林認証材を使用した木製治山堰堤を整備し、土木工事では全国初となるSGEC/PEFCプロジェクト認証を取得した。
清水区小河内に、小河内(夜名戸)治山工事として、高さ2.62bの木製校倉式床固工1基を整備。11.4立方bの木材を使用した。施工はサスイ望月組(静岡市清水区)、工期は2018年9月27日から19年3月11日。
SGEC(Sustanable Green Ecosystem Council)は、日本語で「緑の循環認証会議」と訳す。7基準を満たす持続可能な森林管理が満たされている森林に、独立した第三者審査機関が審査、認証を与える。市内には19年1月現在、4838fの森林が認証を取得している。
今回の工事に使用した木質材料は、全て市内のSGEC認証林から搬出した丸太を、円柱丸太に加工して製作。加工は静岡県森林組合連合会などが行った。

清水区小河内の木製治山堰堤(写真提供・静岡県森林組合連合会)

 

静岡県 静岡県富士山世界遺産センター  富士ヒノキを組み合わせた壁面
世界の宝である富士山を後世に守り伝えるための拠点として、静岡県は「静岡県富士山世界遺産センター」を2017年12月23日にオープンした。
施設は、「逆さ富士」とも形容される独創的な形状になっている。「富士ヒノキ」を繊細に組み上げた壁面を持つ逆円すい形の姿が、施設前面の水盤に富士山の形として映り込む。
県産材活用を全面に掲げ、展示棟の外観(展示棟の外壁・内壁となる木格子)に県産材を使用した。規模は鉄骨造5階建て延べ3410平方b。設計は坂茂建築設計、施工は佐藤工業・若杉組特定JVが行った。
富士山を「深く究める」調査研究を行い、その成果から富士山を「永く守る」「楽しく伝える」「広く交わる」をコンセプトとし、事業を幅広く展開している。

「富士ヒノキ」を使用し「逆さ富士」を表現

 

花園会 児童発達支援センター『もも』  オクシズ材をふんだんに利用
社会福祉法人花園会が、2019年3月に静岡市駿河区にオープンした「児童発達支援センター『もも』」は、静岡市内産、オクシズ材をふんだんに利用している。
静岡市が取り組む「生涯活躍のまち静岡(CCRC)」の拠点エリアの一つである「駿河共生地区」に位置し、静岡市との官民連携で整備された『もも』は、鉄骨造2階建て延べ面積1035平方bの規模で、保育室、遊戯室、医務室、厨房(ちゅうぼう)、静養室、屋上遊戯室などを完備している。設計をナカノ工房一級建築士事務所(静岡市葵区)、施工を平井工業(静岡市葵区)が担当した。
梁や床材などにオクシズ材を用いるなど、自然木を多用した室内空間に加え、外部空間にもウッドデッキや竹垣などを配している。施設内に一歩足を踏み入れると、昭和世代が通った木造校舎に、タイムスリップしたような懐かしさに包まれる。明るい室内は、自然木の風合い、ぬくもり、優しさが心地よく、情操教育にも最適だ。

自然木のぬくもりが心地よい児童発達支援センター「もも」

 

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