新年 明けましておめでとうございます。
社団法人大阪府建築士会は、公益法人改革に伴う法人移行と運営組織の改革及び活動の活性化を重点的施策といたします。
建築業界において大きな問題である@環境・エネルギー、A健康(医療・介護・福祉)、Bグローバル化・アジアでの展開、C観光・地域活性化(伝統・文化・歴史)、D建築技術、E雇用・人材等に着目して、本会が創立以来60年間積み上げた社会貢献活動を更に強化・進化・深度化していく意思を明確にして、より一層活動の場を拡げてまいります。
それには個々人のスキルやノウハウを引き上げて「現場力」を高めることで、自己分析・能力評価を自己に問い、意識して戦略を練り、具体的に行動することが肝要と考えております。
建築士に求められる資質は、自己研鑽 ・スキルアップ、グループ化、多能工化、ITCの強化など多岐に亘って格段に高まっており、そのツールの一つとして専門家団体と協働してCPDを全建築士に浸透させ、建築業務に対する評価をさらに高めて社会的課題を解決する貢献に繋げます。
「地域に根を下ろした団体として」
大阪府建築士事務所協会 会長 佐野 吉彦
新年あけましておめでとうございます。
ここ数年の日本は大災害に向きあい、国際化の潮流や高齢化する社会の中でのさまざまな模索がありました。改正基準法施行以降のわれわれが取り組んできたのは、社会や発注者が願うものを、建築というかたちある成果として着実に実現することです。
そのために自らを磨き続けるべき姿勢は専門家ひとりひとりが自覚し続けるだけでなく、確実に次の世代にも引き継いでゆかねばなりません。
さらに、建築の専門家には、設計業務を通じて関わりあうすべての人々、建築を利活用する人々とともに豊かな社会的価値を生み出す使命があります。
大阪府建築士事務所協会はこの地域に根をおろした団体として、地域社会の中で専門家が果たすべき役割を構想しながら新年度の活動に取り組みます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
「設計監理の使命の確立へ」
兵庫県建築設計監理協会 会長 瀬戸本 淳
協会より『住宅の設計監理 50の心得』を刊行しています。「こんな本が欲しかった。」のお声をいただいているところです。近年の建築紛争が急増している背景のひとつに建築家の「監理責任」が、建築主にも建築家自身にも、ましてや法律家にも、明確に把握できていない現状があります。
「設計責任」や「施工責任」以外はすべて、「監理責任」になるという構図です。法廷に持ち込まれたとき、法律家の多くは、完成品ができていない時点で契約を取り交わす建築業界の特殊性になじみがないため、「監理業務」の責任範囲を過大にとらえ、監理が「監視業務」であるかのような見地から、判決が下される傾向にあります。
本書では、そんなトラブルを呼び込まないために、「設計の監理業務」において、留意すべき建築家の心得をまとめました。若き建築家にも、法曹関係者にもお読みいただき、「設計・監理の使命」に対する社会的認識を確立する一助になればと願っています。