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安全は明るい建設産業への礎 安全の見える化(大阪)
安全のルーツ「人材育成」 雇用環境向上で業界魅力PR

安全特集

 「見えますか? あなたのまわりの見えない危険 みんなで見つける安全管理」をスローガンに、全国安全週間が始まる。生活に欠くことのできない建設産業。そこに集う人たちが、将来に夢を持ち、希望に向かって働き、喜びを享受してこそ、豊かなまちづくりが実現する。その礎となる安全で安心な職場について、皆で知恵を出し合う1週間としたい。

平成28年死亡災害発生状況 大阪労働局

 

厚生労働省大阪労働局長中沖 剛

中沖剛

■明日から全国安全週間がスタートします。まず大きな視点での労働安全衛生の課題、取り組みについて聞かせて下さい
「少子化の要因の一つでもある長時間労働は、国力の低下を防ぐためにも真剣に向き合わなければいけない課題です。長時間の勤務や休日がしっかり取れない環境下では、安定した雇用、人材育成は望めず、事故を発生させるリクスも高まります。労働局としては、総労働時間を抑制するため、法規制の執行を強化していきます」

■2015年の労働災害発生状況は
「大阪府内の建設業における死傷災害は、ここ数年減少傾向にありますが、15年には722件発生しています。このうち275件が墜落・転落によるもので、約4割を占めています。また、死亡災害で13人が亡くなられていますが、そのうち8人が墜落・転落によるものです」

基本的な墜落防止対策不足

 「その発生状況を見ると、外部足場の組み立て作業中に墜落、解体工事部材搬出用開口部からの墜落、脚立作業中の墜落などで、いずれも、作業床や手すりの設置をはじめ、安全帯の使用など、基本的な墜落防止対策が講じられていれば防げたものがほとんどです」
「2015年7月に改正施行された労働安全衛生規則の順守はもちろんのこと、より安全な措置として、手すり先行工法の積極的な採用を盛り込んだ、足場からの墜落転落災害防止総合対策推進要綱に基づく対策の実施など、基本的な対策の徹底が重要です」

第51回大阪府建設業労働災害防止大会

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■「安全見える化運動」「命綱GO活動」など、トピックや重点指針を教えてください
「13年度を初年度とし、5カ年にわたりゼロ災・大阪安全見える化運動を展開しています。この運動は、工場や現場、事務所や店舗などの職場に潜む危険を浮き彫りにする、また、安全衛生活動などを目に見える形にすることで、労使の自主的な労働災害防止活動を促し、健康が確保され、安全・安心な職場や現場の実現を図るというものです」
「見える化運動の一環として、安全帯の確実な使用を図ることを目的とする、命綱GO活動にも取り組んでいます。多くの現場でこの活動が認知され、大きな広がりとなる中、災害減少の成果につながっています。安全帯の着用と使用は当然のこととの認識を持ち、高所作業だけでなく、墜落・転落の恐れのある箇所での使用の徹底をお願いします」
「足場の組み立て解体作業や鉄骨などの組み立て作業では、墜落時の衝撃を緩和する二丁掛けハーネス型安全帯の普及を促進しています」

事故の型別 死傷災害発生状況

熱中症による死亡災害2件

■5〜6月には予防対策セミナーが実施されましたが、夏に向けての熱中症対策にどのように取り組みますか
「2016年も熱中症に注意が必要な季節になりましたが、2015年は、大阪府内で休業4日以上の熱中症による労働災害が25件、うち死亡災害が2件発生しています。各事業場では、本格的な夏の到来を待つことなく、いち早く熱中症対策を進めていくことが、何よりの予防策です」

夏本番前に熱中症対策

 「労働局としても、例年より一月早く、熱中症予防の啓発と広報を兼ねたセミナーを5月から開催しました。熱中症を予防するには、屋外、屋内にかかわらず、高温多湿の場所で作業を行う場合、暑さへの順化の有無、体が暑さに慣れたかどうかが熱中症の発生に大きく影響します。体を暑さに慣らすための順化期間を設けることが重要です」
「高温多湿な環境下での作業の危険性について、しっかりと認識し、適切な休憩時間の確保、水分、塩分などの適切な補給、作業者の健康状態の把握も必要です。熱中症の予後は、初期の救護対応で大きく状況が変わるため、適切な対応を図る必要があります。自己判断により対策が遅れ、体調が急変し、重大な結果を招くケースが後を絶ちません。本年は、作業者本人への自覚を促す施策として、体調の異変を感じたら我慢することなく、上司へ報告することを盛り込んでいます」

■安定した職場環境を構築する上で、雇用改善、人材育成が欠かせません。人を育てていくための施策はありますか
「建設業界では、就業者の高齢化や若い人の業界離れにより、全国的に技能労働者などの建設人材が不足しています。また、入職するも、経験年数の少ない1年未満の労働者が被災するケースが増加しています。経験の浅い方や新規で現場に入場する方は、周りに潜む危険を見ることができず、災害に遭う確率が高くなっています」

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危険要素の周知を徹底

 「新規入職者への丁寧な教育をはじめ、安全の見える化、作業ごと部署ごとの危険作業、危険機械などのリスクアセスメントの実施と、それに基づく適切な作業手順の作成、周知徹底が重要です」
「建設業界が魅力ある業種であるためには、災害のない働きやすい職場を形成すること、目の前の安全衛生活動だけでなく、人材確保も安全を考える上で重要な課題であると認識しています。建設業の魅力を積極的にPRすることによって、若者に入ってきてもらうことが必要であり、労働局としましても人材育成に関して、ハローワークなどの活動を通して、協力していきます」

■労働安全衛生法において、特に現場での順守を求めたい点があれば教えてください
「足場については、2015年7月に労働安全衛生規則の改正があり、墜落・転落災害防止対策の徹底をお願いしています。今回の改正では、足場の組み立てなどの作業に就く労働者に対し、特別教育を行うことが義務付けられました。ただし、施行日(15年7月1日)以前から既に足場の組み立てなどの作業に従事されている方に対しては、2年間の受講猶予がありますので、事業者の皆さんは、計画的に受講ができる体制を整えてください」
「2016年6月1日から化学物質のリスクアセスメントの実施が義務化されました。業種、事業場規模にかかわらず、一定の危険有害性のある640の化学物質を製造し、取り扱う全ての事業場で、リスクアセスメントの実施が必要です。化学物質に対する事業者意識の向上を図るため、『ラベルでアクション』をキャッチフレーズとして、容器にどくろや炎などの絵表示があった場合、SDS(安全データシート)を確認してリスクアセスメントの実施につなげていくことを推進しています」

啓蒙ポスター

実効ある安全活動の実施を

 ■建設事業者に対する要望はありますか
「建設現場で発生している災害の多くは、小規模な安全衛生管理体制が確立していない事業場で発生しています。新規入場者教育をはじめ、危険予知活動の実施、安全見える化の推進、作業手順の徹底、順守など、形式だけではない実効ある安全衛生管理活動を実施し、不測の事態にも対応できる体制を整えて作業に臨んでください」

 

安全の見える化

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