公共事業の週休2日 実施率上がらず
将来の担い手を確保・育成するため、受発注者が一体となって建設業界の魅力を高める−。建設現場での週休2日制導入はその肝となる施策の一つだ。地方自治体では、2020年度に全ての都道府県と政令市で週休2日工事を実施するようになったが、依然として市区町村でその実施率は上がっていない。
入札契約適正化法に基づく実施状況調査の結果を見ると、19年度に週休2日工事を実施していなかったのは都道府県で3団体、政令市で1団体だったが、20年度には全ての都道府県・政令市が採用した。一方の市区町村は全1721団体のうち、「実施している」と回答した団体が125団体(全体の7・2%)。20年度に42団体が新たに実施したものの、未実施の団体は依然として1339団体に上っている。
公共事業での週休2日導入は、国土交通省の直轄工事で先行してきた。国交省は、労務費、共通仮設費、現場管理費、機械経費(賃料)を補正し、現場閉所に伴う必要経費を計上する週休2日工事を実施。その後、現場閉所が難しい工事を対象に「交替制モデル工事」を取り入れるなど、週休2日の浸透に工夫を重ねている。
こうした対策の効果もあって、直轄事業での週休2日工事の実施率は年々増加。20年度からは原則全工事を週休2日の対象(受注者希望型)としている。自治体では直轄工事に倣って週休2日工事を実施し、順次、実施率の向上を図っているところだ。
入契法に基づく適正化指針では、発注者に「公共工事に従事する者の休日(週休2日に加え、祝日、年末年始、夏季休暇)」を考慮するよう求めている。建設業が24年4月に適用される時間外労働規制をクリアするためには、現場の週休2日導入は避けて通れない。週休2日の導入は、月給制への移行や現場の生産性向上といった受注者側に求められている対応の促進にもつながる。
求められるダンピング対策 最新モデル採用5割に満たず
予定価格の公表 市区町村4割が“事前”
工期に関する基準 「考慮している」は3割
平準化の「さしすせそ」 市区町村に遅れ
業務のダンピング対策 半数以上が未導入
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